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2021-11-26 19:00:00
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日本で流通する住宅の大半は新築で、日本には新築が好きな方が多いようです。

しかし、市場価値という観点で見れば、新築である期間はほんの一瞬です。

 

なぜかと言うと、人が住んだ瞬間、その物件は市場では中古と判断されてしまうからです。

そして、新築住宅が中古になった途端に、価値が2割ほど下がると言われています。

 

新築物件を買った人からすれば「冗談じゃないよー」と怒りたくなるような話ですが、事実なのです。

では、なぜ2割も価格が下がってしまうのでしょうか??

 

新築物件は、不動産会社や住宅メーカーが土地を仕入れて、その上に建物を建てて販売します。

この時、まず土地の仕入れ費用や建物の建築費がかかります。さらに販売する際、広告宣伝費やパンフレット・DM(ダイレクトメール)などの

製作費、モデルルームの建設費、運営費、販売会社への手数料といったさまざまな経費がかかってきます。そして最後に、利益を乗せます。

 

つまり、新築物件には、不動産会社や住宅メーカーの利益や経費など、実際の資産価値(土地+建物の価値)とは関係のない費用がたくさん上乗せされているのです。そして、さらには日本人の新築好きに乗じたプラスα価格である「新築プレミアム」までもが上乗せされて販売されるのです。

 

◆頭金なしで新築を買うのは危険?

 

万が一、新築物件を買ってすぐに売らなくてはならなくなった場合の物件価格は、新築の購入価格から不動産業者や住宅メーカーが上乗せしたさまざまな「経費」や「新築プレミアム」分を差し引いた価格にならざるを得ません。

 

そのため、新築を買う場合には、少なくとも「費用」や「新築プレミアム」程度は頭金で用意したほうがよいでしょう。

仮に、新築をフルローン(頭金なしで購入費用をすべてローンでまかなうやり方)で買ったとしたら、その後しばらくは、ローン残高が資産価値を上回る債務超過の状態になってしまうからです。

 

◆買ったときよりも高くで売れる場合もある?

但し、不動産相場の上昇時や立地と物件の状態(住みかた)によっては、買ったときよりも高く又は、同程度で売れる場合も少なからずあることも事実です。

事実、首都圏では、以前に比べ狭いうえにつくりが安普請にもかかわらず新築物件が高止まりして、いま中古マンションの価格が見直され上昇しています。

 

新築物件そのものと、購入したり売却したりするときのタイミング次第といることになりますが、それ以外にも立地の将来性、利便性、金利(変動か固定か)、ハウスメーカー選び、仲介不動産会社選び、など、買う前に検討できることはたくさんあると思います。

 

◆欧米では中古不動産が主流

あと、日本と真逆で、欧米などは新築よりも中古住宅の売買が主流でおおむね新築2対中古8くらいの割合で、中古住宅が大半を占めます。

 

築何十年になろうが価格は日本のようになかなか下がらないのです。それは、欧米は中古不動産の流通システムが日本に比べかなり充実していて、なおかつ、リフォームやリノベーションをオーナーが適正に行っており、中古不動産の価値が下がりにくく、買主も安心して買うことができるためです。

それに比べ、日本では、築30年もすれば家の価格は0となり、土地価格のみになってしまいます。

 

◆これからの日本の中古不動産

しかし数年前から顕著になりましたが、わが国でも中古不動産の異常な資産価値下落により国家資産を失わせてはいけないと、政府主導によりようやく、物件履歴書の推進、インスペクション(住宅診断)と瑕疵担保責任保険などの推進により、中古不動産の活性化に取り組み始めました。

 

欧米の良いことは見習って、家は一生ものとの考えを捨て、不動産の資産価値が落ちないよう大事に使い、適正なメンテナンスをして、売買を繰り返し、より良い家に住みかえることも選択肢の一つとして考えても良いのではないでしょうか。